Otayori
お便り

板締染めのこと

Update 2017.04.23

一枚一枚丁寧に布地をたたんでから部分的に板で挟んで染める「板締染め」は、古くは奈良時代から伝わる伝統的な染色技法の一つです。挟んだ部分が染まらないダイナミックな柄に対して、板を締め具で締める力加減によって繊細な色の滲みが生まれ、版を使用したプリントとは違う手作業ならではの深い味わいを感じて頂けると思います。

ただ、一枚ずつのバラツキが最小限で抑えられる様にするには、無造作にたたむのではなく、丹念に慎重に位置がずれない様にたたんで行く必要があります。非常に時間のかかる根気のいる作業です。また、挟んだ板を固定する為に万力という締め具を使用するので

1枚の生地や製品を染めるのに非常に大掛かりな状態になり一度にほんの数枚ずつしか染められず、しかもそういった状態で激しく撹拌する事が出来ないので、しっかり染めたい部分にきちんと色が入り込む様に染色時間の最中はずっと手で捌き続けるという産みの苦しみを味わう事になります。でも、染め上がって、板を外して生地を広げた時の達成感は半端なく爽快です。

古くからある技法ではありますが、現代において魅力的なモノを目指したいと思っています。和風になり過ぎず、シンプルな中にも可愛らしさや格好良さを感じて愛着を持って使って頂ける様な色や柄の商品を提供して行きたいと思います。

 

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